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統計的に見ると

 日本語力低下について書いたこの記事の、追伸について補足。統計が得意な方は適宜読み飛ばしていただきたい。

 元記事はこちら。要約すると、

 大学・短大の学生約一万三千人を対象に行ったテストで、国語力が中学生レベルという結果が出たのは、国立大で6%、四年制私立大で20%、短大では35%。5択の問題例が3問示されており、中学生レベルの者の回答割合の分布が示されている。その値は次のとおり。【】で示したものが正答比率である。
(0%、83.3%、【16.7%】、0%、0%)
(16.7%、0%、66.7%、【0%】、16.7%)
(50.0%、33.3%、16.7%、【0%】、0%)
 3問とも、どの選択肢も0%、16.7%、33.3%、50.0%、66.7%、83.3%のいずれかであり、1/6の比率の倍数になっていることがわかる。しかも、各問とも、誤答の中に0%がある。

 では、「中学生レベル」の人数はどれくらいだろうか。
 元のサンプルのほとんどが国立大の場合が最少で、中学生レベルは800人弱。逆に、ほとんどが短大の場合が最大で、4,500人強となる。サンプルが均等の場合は約2,600人。計算のしやすさも考えて、仮に2,400人として話を進める。もちろん、人数が変わっても、内容的にはそれほど変わらない。

 母集団が2,400人の場合、1/6は400人だ。399人は16.625%なので16.7%にはならない。402人は16.75%で、これは16.8%になるはずだ。ということは、16.7%=400人または401人、に限定される。同様に、33.3%は798人から800人までと決まる。以下同様の計算が成り立つ。
 このように、極めて範囲の狭い、特定の人数によってしか成り立たない比率である。これが3問とも共通しているということだ。これは、統計的には非常に珍しい偶然だ。さらに、「中学生レベル」という正答が出にくい母集団において、全く選ばれなかった不正解の選択肢があるというのも奇妙なことである。ただし、厳密には2,400人中1人という割合は0.1%に満たない。

追伸:ここまで細かい話はともかく、3問の回答比率を見ればその奇妙さには気付きそうなもの。記事にする際に気付かなかったのだろうか。

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コメント

生業にしてますが、しょっちゅうだまされそうになります・・・いかんいかん。算数苦手なのにこんな商売してたらヾ(^^;

投稿: ぶん | 2004.11.29 21:55

本題よりもこの数値に引っかかりを感じる僕のような人間を、世間では変わり者と言います。
でも、ここまで露骨だと… ねえ。という気はしますが。
もちろん、記者が気付きながら掲載した可能性もあるとは思っています。

投稿: ひざがわり | 2004.11.29 22:53

んーまあマイノリティかもしれないけど、変わり者とらべりんぐされることは誇っていいと思いますよ、わたしは。
記者は気づきながらわざと騙した可能性も感じます。それだったら最低やなぁ。

投稿: ぶん | 2004.12.01 00:32

しばらく考えていたんだけど…ほとんどの人間が白紙答案で、6人とか12人とかかなりの少数だけが記述した…という可能性はありませんか?

投稿: ym | 2004.12.01 02:33

>ぶんちゃん
騙す方も悪いけれど、きちんとしていれば騙されない。というのは、今回のケースではちょっと違うかもしれませんね。

>ymさん
なるほど、その手がありましたか。
仮にそうだとして、5択で白紙が圧倒的多数ってのもひどいですねえ。無回答が多かったから中学生レベルに分類された、ということであれば、日本語力の問題ではないような気がします。
(もし、日本語力の問題であるとするなら、「わかる問題は答えるがわからない問題は5択でも無記入」という人間が多数いるということになる)

投稿: ひざがわり | 2004.12.03 00:36

>ymさん(お久しぶりです)、ひざがわりさん
確かにちょっとだけアタマをよぎりましたが、
白紙回答は誤答扱いにしませんかね・・・ふつうのテストでは誤答にされるわけだし。調査報告書や集計のサンプルサイズが書いてないのでなんともいえませんが。
社会調査系だと白紙はNAとして誤答とは分けちゃうかな。
だとしたら無回答率を記述すべきですね。

投稿: ぶん | 2004.12.04 00:04

白紙は誤答だけれど5択の分布には入らない、ということでこのような結果になったのかもしれません。

…ああ、無理して何とか解釈を見つけようというこの努力。

投稿: ひざがわり | 2004.12.05 00:28

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