« いよいよ襲名 | トップページ | 手元にある映画の券を見てふと思ったこと »

囲碁と私(9)

 の続き。
 地元の同好会2つに参加させていただくようになり、プロの先生にも教えていただく機会が増えた、小学校高学年。子供大会以外の個人戦は身の丈に合わない大会でさっさと負けていたが、1つ、実力が近い相手と何局も打てる大会があった。団体戦だった。

 プロのサッカーリーグのように1部、2部… と分かれていて、各部を4組に分けてリーグ戦を行う。地元の同好会からは何チームも参加していたので、下位チームのメンバーとして対局に臨んだ。4チームの総当たりリーグ戦なので必ず3局打てる、これはトーナメントで1回戦負けが多い当時の僕にとっては大きかった。1チームは3人で、横に並んで3局が同時に行われ、2人以上勝ったチームが勝ちとなる。各組の1位チームは昇格決定で、決勝大会で部の優勝を争う。一方、4位チームは降格という厳しいルールだ。
 僕がいたチームは下の方の部だったので、どのチームも実力伯仲に近く、対戦相手にびっくりするような強い人はいない。ずば抜けた強いチームはどんどん昇格するからだ。このレベルでの多少の実力差は、一発勝負では誤差の範囲になってしまう。だからこそ面白い。そして何より、自分の勝敗がチーム成績に直接反映され、その占める割合も高い。自分の対局が1局以上の重みを持つ、この団体戦の醍醐味を小学生の頃から経験できたのは貴重なことだ。

 ちょうどこの頃、新規参加チームが増えて、下の方の部の所属チーム数が増えてきた。そのため、下の部で各組1位のチームをすべて昇格させると上の部の降格チーム数と合わなくなってしまう事態が起き、昇格は狭き門となっていた。決勝大会が本来の3倍のチームで争われ、1位の3チームは昇格、2位の3チームのうち1チームが抽選で昇格、というオリンピックの球技の予選のようなややこしい事態になった。
 僕がいたチームは決勝大会に進んだものの、2位。昇格は抽選に委ねられた。
 囲碁では「握り」というものがある。主に、ハンデなしの対局でどちらが黒番になるか決める際に行う。片方が碁石を相当数握り、相手が偶数か奇数か当てる、というものだ。
 この団体戦では抽選を「握り」で行うことになっていて、対局同様、3人とも「握り」をする。予想が当たれば勝ち、外れれば握った人の勝ち。僕以外の2人で1勝1敗となって、最後は僕の番。僕が予想を言った後で、握った碁石を碁盤の上に広げて2つずつ並べる。そして結果は…

 僕の予想が当たり、ぎりぎり昇格決定。この年以降、さらに新規参加チームが増えるため、これを逃すといつ昇格できるかわからない厳しい戦いだっただけに、うれしかった。「握り」で結果を大きく分けたのは、これが最初で最後だったと思う。

|

« いよいよ襲名 | トップページ | 手元にある映画の券を見てふと思ったこと »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 囲碁と私(9):

« いよいよ襲名 | トップページ | 手元にある映画の券を見てふと思ったこと »