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159.…

 うちの会社の、僕がいる部署のFAXはよく赤ランプが点滅する。紙がうまく排出されていないというサインだ。片面使用済みの紙を使っている影響かもしれないが、だからといって新しい紙を使うのはもったいない。一度片面を使った紙は平らではなく、どうしても引っかかってしまう。そんなわけでそのまま。それでいいのかと思うのだが、打つ手が浮かばない。

 プリンタも調子が悪い。印刷時に余計な白紙1枚が一緒に出てくることが何度もある。紙ももったいないし、取り分けるのも手間だ。とはいうものの、この現象を毎回再現できる訳でもないので、修理を呼ぶのは躊躇してしまう。
 何かあると2行ほどの液晶画面にエラーの内容が表示される。プリンタの置き場所がラックの上なので、僕の目の高さでは見えない。背伸びしても光の関係で液晶の文字が読めない。近くに丸椅子などない時には背の高い人に見てもらうこともある。そんなシーンを見て、職場の後輩の女性が僕に聞いてきた。

「ひざがわりさんって、身長どれくらいですか?」
「160ってことになっているけれど、厳密には159.5か6か、そのくらい。健康診断の時には160って書いてくれるけれど」

次の一言に僕はびっくりした。

「えー、160もあるんですか?」

(「も」って何よ、その「も」は。)

「私と同じくらいかと思って。私も一応156なんですけど、本当は155.…」

 いや、その先は別にいいのだけれど。4センチの違いは靴による部分もあるだろうし。でも、服選びなどで苦労していて「160しかない」という考え方で過ごしているのに、「160も」と言われるのはショックである。
 もっとも、彼女は「自分も156しかない」と言っていたけれど、女性の156と男性の160は、平均値からの乖離がだいぶ違うような気がするのだが。

追伸:「160も、って言うなぁ。これでも一応気にしているんだから」と僕は言ったが、「小さいやつだ」と思われたのではないか、とちょっと心配。あ、小さいからいいのか。

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