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ネクタイに見る、僕のわがまま

 「ネクタイは誰に選んでもらっているんですか?」
 こう聞いてきたのは、そう、ここでもここでも登場した、職場の後輩だ。そんな人などいないのを知った上でのこの台詞は、僕に対する配慮かもしれない。
 なぜこんなことを聞いてきたのか。彼女から意外な言葉が聞かれた。

 僕がしているネクタイの中に、彼女の好みに近いものが何本かあったという。選んであげる時に、彼の好みはどちらかといえばシンプルなもので、彼女は色や模様が多彩なものがいいとのこと。選んであげるにあたり、それで悩むこともあるのだという。
 「選ぶ機会は多いの?」と聞くと「いや、ほとんどないんですけど…」って、それじゃ別にいいじゃないの、なんて話になった。

 しかし、ネクタイを見ているとはねえ。嫌な気はしないけれどびっくり。そういえば最近はネクタイをほとんど買っていない。ちょうどこんな話も出たから久々に買ってみようかな、と思ったけれど、もうすぐ基本的にノーネクタイのシーズンに入る。何というタイミングの悪さよ。

 ネクタイは何本あっても困らないし、いただければ非常にうれしい。あ、決して催促ではなく。
 自分で選ぶと、どうしても似たようなものになるし、一定の枠を抜け出せない。だから、自分以外の方に選んでいただけるネクタイは、違うタイプのものを手にするいい機会だ。
 でも、その一方、僕みたいな者にも好みはある。いただいたのに何となく合わない、というのは悲しい。これは本当にわがままに過ぎず、申し訳ないけれど。細かい模様や小さな柄がたくさん並んでいるようなものは苦手で、規則正しさを感じないようなものが好き。いや、だから決して催促ではなく。
 いろいろなところで買っているけれど、多分、総合スーパーで買ったものが一番多いと思う。値段もそんなに高くない。1本か2本くらいは特別なネクタイを持っておくのも悪くないが、まだ先のことになりそうだ。

追伸:ノーネクタイシーズンが終わる頃に僕の誕生日が来る。いえ、本当に催促では…

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