ほんとだよ、知らなかったんだってば
新しい職場で、以前から使っていた急須を新しくした。朱色っぽいシンプルなもの。それが、つい最近買ったばかりのはずなのに、いつもの場所に見当たらない。ほとんど珈琲を飲まない僕にとってはこれがないと困る。
うちの課には、お茶や珈琲や洗剤などがなくなると気付いて買っておいてくれる後輩の女性がいる。女性だからということではなく、最年少だから。きっと彼女ならどこにあるのか知っていると思って聞いてみた。
次の瞬間、頭の回転もよく仕事もできるその女性が、斜め後ろの方向に顔を伏せ、見る見る顔と耳が赤くなっていく。ジェスチャーゲームで「動揺」というお題なら3秒で答えられそうだ。僕はきょとんとしたが、次の瞬間わかった。
何のことはない、彼女が割っていたのね。全然知らなかった。僕はほとんど出かけることもないから、そんなことがあれば気付きそうなものなのに。
「何で私に聞いたんですか?」というその言葉には、「私が割ったと思って聞いたんですか?」という意味も込められていたのだろう。僕は純粋に、ものの在りかを一番把握していると思って聞いただけなのに。実際、お茶がしまってある場所も、洗い物用のスポンジの場所も、彼女から教えてもらったのだから。
でも、他の人の見ている前で、誰が割ったのかを明らかにしてしまう結果になってしまった。ごめんね。でも本当に知らなかったんだよ。
追伸:それにしても、普段の彼女とあまりにも違うのでちょっと驚いてしまった。
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