こんなこともある
夜8時半、駅から少し離れたタクシー乗り場。一番前のタクシーに乗る。
「短くてすいません、文化ホールまでお願いします」
歩けば20分以上かかるが、ワンメーターの距離。明日のコンサートのリハーサルに間に合うにはタクシーしかなかった。
当然、まだ電車は走っているし、路線バスも方面によっては最終がある。だが、時間帯的にはそろそろ稼ぎ時といったところか。方面を告げた時に「わかりました」の言葉もなく、下車する時にも「ありがとうございました」もなかった。
残念だなあ、とは思ったが、怒る気持ちにはならなかった。その日は夕食を食べる時間がなくリハーサルに駆けつけて空腹で気力がなかったからか、リハーサルが終わっていたらどうしようと思っていたからか、往復8時間近くかけて車で日帰り出張をして疲れていたからか、自分でもよくわからない。でも、僕自身がいい状態ではなかったようで、客席にいた知人をアーティスト付きのスタッフだと勘違いして余所行きの挨拶をして、「私よっ」と言われてしまった。何度も顔を合わせている魅力的な人なのに。
今までタクシーに乗って嫌なことはなかったけれど、こういう運転手さんもいるんだな、と実感した。もちろん、距離が短かったのも一因ではあるだろうけれど。
追伸:リハーサルには無事間に合った。翌日スタッフとして働くために、少しでも雰囲気に慣れることができてよかったと思う。
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