三次市の「お父さん・お母さん休暇」
すでに3月には報じられていた話題だが、取り上げていなかったので。1歳6カ月未満の子どもを持つ職員を対象に、最長2カ月の子育て休暇取得を義務付ける有給の「お父さん・お母さん休暇」について。
四国新聞社、中国新聞(ほぼ同内容がL-Care育児・子育て情報にも)、日刊スポーツの各記事。
実は、僕自身もよく考えがまとまっていない。新たなことをした意欲と努力には敬意を表しつつ、さまざまな疑問点が拭えない。
既存の育休との整合性がどこまで保たれるのか(特に共働きの場合)、財源を管理職手当や特別職の期末手当に求めることの是非、義務付けであることと有給であることの兼ね合いなど。
もちろん、すぐに代替案は出せないが、例えば財源について。一つは、管理職手当はそんなに簡単に削っていいものなのか。今回の新たな休暇制度によって管理職の責務が10%軽減されるというのであれば話は別だが、数字合わせをするような性質のものではないはず。人数の増減によって年ごとに削減率が違うことも予想されるが、説明がつくのか。そしてもう一つは、制度との特殊性の兼ね合いを考慮した上で判断しなければならないが、別途の財源を用意しなければ実施できないということであれば、本来すべきことからは外れているということになる。そのようなメッセージを発することが、最重要とも言える課題に対していいことなのかどうか。
他にも、中国新聞の記事中に出ているような「業務の融通」が可能であれば本来の定員管理が適正なのかどうか、本来の有給休暇がどの程度消化されているのか、有給の額とその方法はどのようにするのが適切か、などなど、考えるべきことはたくさんある。
繰り返すが、だからと言って三次市の取り組みが無駄だとは思わない。ただ、上記のようなことはきちんと考えていかなければならない。その意味で、6月14日付け日本経済新聞の記事のように、財源の調達法に対して「(管理職が率先して部下の子育ての負担を分かち合う、という三次市の説明に対して)この説明には説得力があるのではないか」の一言で終わってはいけないはず。
さまざまな要素を考えた上で、独自案を出して競い合ってこそ。
追伸:中国新聞の記事中の広島労働局の方のコメント「ただ、男性にとって二カ月間も職場を離れるのは不安が大きい。」これはいいのだろうか?
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