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いつも通う道

 最寄駅まで歩く道は、2通りある。もちろん、それほどの長距離ではないので、大した違いはない。やや狭い道にすぐに入るか、広い道沿いに長めに歩くか。
 小学校の頃から、ほとんど前者を選んでいる。特に理由はないけれど、しばらく前者を歩いていると、もし後者に変えて何かあったら、という意味のないことを考えるようになった。今ではそんな考えもないが、体が自然に前者を選ぶ。

 ところが、ここ数年、夏場の通勤時には後者を選ぶことが多くなった。理由は単純で、後者の方が建物に遮られて日陰が多いから。熱帯夜明けなどは少し歩くだけでも汗ばむ。日なたを歩くと汗びっしょりになってしまう。
 もっとも、子供の頃からの習慣は変わらないもので、ついうっかり前者を選んでしまうこともある。戻るほどの距離でもないので、そのまま日なたを歩くことになる。

 ところが、今年の夏は、後者を選んだことがないし、選ぼうと思うような状態もない。やはり、今年の夏はいつもと違う。分かりきっていても、改めて感じる。

追伸:前者のメリットは、駅のホームが早めに見えること。待つ乗客が多ければ遅延等が発生しているとわかる。

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